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2017年8月

2017年8月18日 (金)

ドラッガーが教える「理想の上司の条件」

ドラッガーについて書かれている有名な著書に、もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの

『マネジメント』を読んだら』がありますよね!これは、マネジメントの方法を具体化した本だと

私は解釈しています。私も読みました。

マネジメントを勉強していればなるほどと思えることもある本だと感じました。

 

そもそも、マネジメントとは、上司が部下を管理するという意味ではない。

一言で表現すると自分自身や組織の人たちを“創造的に”することである。

とドラッガーは言われております。

 

「君はいい上司かい?」

 

そう聞かれたらあなたはどう答えますか?考えあぐねてこう思うのではないでしょうか?

 

「いい上司って何だ?」

 

この本質的で、答えの出しにくい疑問にヒントをくれるのがピーター・ドラッガーだ。

 

「経営学の父」「ビジネス・コンサルタントの創始者」と称され、

ユニクロの柳井社長などあまたの名経営者に支持されてきたドラッガーは、

どんな人物を「いい上司」と考えたのだろうか?

 

皆さんも感じていると思いますが、マーケットは瞬く間に飽和し企業はいつも

イノベーションを必要としています。企業において社会の変化を捉え、

それを機会にイノベーションを起こすべき人は誰でしょう。

社長でもありマーケッターでも研究開発のリーダーでもありません。

ドラッガーの答えは、「社員一人一人」です。彼が唱える「マネジメント」とは、

「上司が部下を管理する」という意味ではありません。ひとことで表現するなら、

「自分自身や組織の人たちを創造的にすることです。

(※創造的とは・・・それまでになかった新しいものを作り出していく力)

 

社員一人ひとりがいきいき仕事をし、創造的であることが何よりも重要だと

ドラッガーは言っています。持続的な利益を生むためにもそれが大事だと。

どうすれば、人間は創造的になれるのか。ドラッガーはたった一つの行動を

私達に求めています。それは、「問う」ということ・自分の商売は何か。

自分の顧客は誰か。もっとも価値を届けたい人は誰か。そして自分の強み、仲間の強みは何か?

 

組織として結果をだせないマネージャーの多くは、部下の弱みに目を奪われて、

彼らの創造性を引き出せないでいます。ある企業の幹部がこんなことを言っていました。

「日本の会社では、入社面談では強みや資質が問われるが、

入社後は弱みをいかに是正するかが問われる」

 

もしドラッガーにいい上司の条件を教えてくれと問うたなら。

まずは「弱みより強みに注目する人」と答えるでしょう。

 

インテリジェンス(知性・知識)より真摯さを大事にせよ

たしかに、部下の強みに注目しそれを生かせる人がマネージャーになれば

組織としてのパフォーマンスは上がりそうです。しかし、日本の会社では

プレーヤーとして成績を残した人がマネージャーに昇進しやすい傾向があるように思えます。

 

ドラッガーは、いい上司の条件の二つ目としてこう付け加えるはずです。

「インテリジェンスより真摯さを大事にする人をマネージャーにしなさい。」

知性は確かに重要です。しかし、プロセスを徹底することがマネージャーの

最大の仕事ではありません。マネージャーの最大の仕事は、

部下をいきいきと躍動させること。

「真摯さ」とは「終始一貫、本気でチームの目的を達成するために

力を尽くす姿勢であり人間性です。」わかりやすく言えば、

「本気で成功させたいと思っている」「本気でいいチームにしたい」という思いです。

 

マネージャーの資質とは役職でも年齢でもなく、その人の内面にあるものです。

知識、実績、技能、資格・・・多くの会社でマネージャーになるために必要とされている

評価項目と、ドラッガーが考えるマネージャーとしての能力には、

大きなギャップが存在しているのです。

 

感動によってこそ、部下は自発的に動く

「数字を上げた人が上になるべき」ではないのですね。

「名選手名監督にあらず」とはよく言ったものです。

 

プレーヤーとしてしても、マネージャーとしても優れている人はいます。

ですが、誤解を恐れずに言えば、プレーヤーとして優秀でもマネージャーとして

成功しない人が多いのも現実です。マネージャーたちの悩みはビジネス上の

戦略ではなく何を持って自分の強みを発揮できるのかということです。

多くのマネージャーは、「自分とは何者か」という根本的な問いに悩まされています。

現代組織のマネージャーたちは疲弊しきっています。

あまりに細分化された業務ルール、煩雑な事務処理、人間関係、

人事異動や配置転換によって、本当の自分とは違う働き方を

余儀なくされている人が多いのかもしれません。

 

ドラッガーの「セルフ・マネジメント」の考え方を現代的な形で教えている

ジェレミー・ハンター教授の言葉がとくに印象に残っています。

 

「多くのマネージャーが自分自身の『外』のことに意識を奪われ

自分の『内面』をマネジメントできていない。

 

「とくに日本からの学生は、自己紹介をしてもらっても会社の名前や部署、

肩書きを言うだけの人が多い。しかし、知りたいことはその人自身が何者で、

何を大切に考えて生き、働いていて何が強みなのか」、ということだ。

 

自分自身の情熱が閉じ込められ強みが生かせていない場合には、

どんな美しい言葉で語ったり、美しいプレゼン資料を作ったりしても、

その人自身の思いは表現できておりません。

まるで性能の良い機械が話しているようでもあり話の内容には感心してもらえても、

感動まではしてもらえない。それでは組織全体を動かすエネルギーは生まれてこないのです。

感動によってこそ、部下は自発的に動くようになるからです。

 

 

ドラッガーの考える理想の上司像は

 

「弱みより強みに注目する人」

「知性より真摯さを大事にする人」

 

みなさんは、どう思われましたか?共感できましたか?

答えのないことですので、ひとそれぞれ考え方や想いの違いで

感じ方も変わってくると思います。しかし、世界的にも著名なドラッガーの考えを

お伝えしたく今回紹介させていただきました。

自分自身に置き換えて、自分の理想の上司像とは何か考えるきっかけにして頂ければ幸いです。

2017年8月 5日 (土)

営業マンや上司に必要な他人への気遣い

営業マンである私が興味深い記事をみつけたので、紹介させてください。

  • ダメ営業マンほど「余計な一言」で商談をフイにする理由

言うほうは、悪気がないだけに慎重に話をしなければいけないと感じた記事でした。

● 女性でも男性でも 身体的な話は安易にするな  

あなたは、言ってしまった後、《あぁ~言わなければよかったなぁ》と後悔したことはないだろうか?

「余計な一言」で、せっかくの契約のチャンスを棒に振ってしまう。

大切に育ててきた商談を一瞬にして潰してしまった時ほど悔しいことはない。

 営業職でなくとも人間関係においても、よくあること。悪気はなかったにもかかわらず、

不適切な発言で相手との関係を悪化させてしまった経験が誰しもあるだろう。

筆者の知人は、仕事を円滑にまわすために他部署の若い女性スタッフに

「顔の彫りが深くていいね」と声をかけた。女性スタッフは「あっ、ありがとうございます」

と答えてくれた。一瞬顔が曇ったように見えたが、さらに「鼻が高くてハーフみたいだね」

と付け足した。女性は「よく言われるのですが、私のコンプレックスなんです…」

と絞り出すように答えたという。  知人はその時《しまった!》と思ったが、時すでに遅し。

良かれと思って言った言葉が逆効果になってしまった。

それからその女性スタッフとは深い溝ができてしまったという。  

“彫りが深い”“鼻が高い”というのは一見、「褒め言葉」に感じる。

しかし、人によっては褒め言葉ではなく、傷つく言葉になってしまうこともある。

女性に対する容姿の話題に関しては、特に気をつけなければならない。

女性でも男性でも安易に身体的な話をしてはならないし、自分の思い込みで発言してはならない。

これは自戒の念を込めて言いたい。

● まったくおめでたくなかった 息子さんの結婚話

 結果が出ていない営業マンは「余計な一言」を口走りお客様の気分を害してしまう。

政治家が一言の失言で政治家生命を断たれるように、営業マンもたった一言で

今まで積み上げてきたものを台無しにしてしまうことがある。

これには十分注意が必要である。私自身もこういった失敗を何度も味わってきたものだ。

 筆者の失敗例をお話しさせてください。  60代のお客様と商談していた時のこと。

息子さんの話になり、近々結婚することが分かった。私は少し大げさに「おめでとうございます!!」

と祝福の言葉を送った。しかし、お客様は怪訝な顔をしながら「それが違うのよ」と言い出す。

 照れ隠しだと勘違いした私は、

さらに「息子さんの結婚ですから、おめでたいことじゃないですか!」とかぶせてしまった。

すると、お客様は声を荒らげ「だから、まったくおめでたくないのよ!」と怒ってしまったのだ。

その後、詳しい話を聞いたのだが、息子さんの相手の女性はかなりのワケありということが分かった。

お相手の両親とも相性も悪く、最悪だという。  「おめでたい」と言った事につくづく後悔した。

その後は、案の定、このお客様とのアポイントは途切れてしまった。

 “結婚=めでたいこと”というのは、私の思い込みでしかない。

人によってはまったく逆になるケースだってあるのだ。

● デキる営業マンは 先走ることはしない  

デキる営業マンは、お客様と雑談する時、先走って「おめでとうございます!!」

などとは絶対に言ったりしない。  まずは話をよく聞いてから、感情を伝えるようにする。

「余計な一言」でお客様を嫌な気分にさせないように常に心がけているのだ。

 一方、ダメ営業マンは話をよく聞かないうちに先走る傾向がある。

悪気がないのにもかかわらず、お客様を怒らせてしまうのだ。  

中には、それすら気がつかない営業マンもいる。商談が消えてなくなり

《なんで急に機嫌が悪くなったの?》とクビをかしげている。  

また、ダメ営業マンは間が悪い。最悪のタイミングで口を挟み、お客様を激怒させてしまうことも多い。

 繰り返すが、できる営業マンはお客様を怒らせるような聞き方は決してしない。

お客様に聞きたい用件があっても、すぐに「どうしてですか?」と直接的な質問はしないのだ。

できる営業マンはお客様から要望を聞いたら、必ず一度受け止めるものだ。

 まず、しっかりと意見を受けとめた後に…  「どうしてそう思われたのですか?」

「どのような使い方をするのですか?」 「具体的なイメージをお持ちですか?」  

などと一つひとつ、丁寧にヒアリングしていく。だからこそ、お客様は「本心」を話してくれるのだ。

 話を聞いてすぐに「おめでとうございます!」だとか「どうしてですか?」

などと言っていたのでは、ダメ営業マンから抜け出すことはできない。

 一度は受け止め、じっくり話を聞いてから発言することが大切なのである。

その余裕が、お客様からの信頼を勝ち取ることになるのだ。

 

とくにお客様との商談となると自分の勝手な受け止め方で良いと思って発言したことが

お客様にとって不愉快にさせてしまうこともあるでしょう。その時にお客様の表情が

変わり失言だと気づくことができれば取り返すチャンスは巡ってくるかもしれませんが、

記事にあったように商談が無くなることもあるでしょう。

さらにお客様の気分を害したことに気づかぬまま商談が終わってしまえば最悪ですよね。

お客様に限らず部下や友人にも同じことが言えると思います。

立場が上の人が仕事に関する注意やアドバイスいがいでの何気ない発言に関しては

言っていいこと悪いことは、立場が下の人間すなわち言われた人が判断することです。

友人なら言い返すこともできるでしょうが上司から言われればいい返すことができません。

ここで一番の問題は「悪気はない」というところにあると思います。

しかし、人間一人ひとり受け止め方や自分自身の置かれている立場や、

心理状況、その時の環境で気分を害することもあると思います。

自分の発言で相手はどう感じるのか、どう思うのかを考えて上での発言であれば

いいと思いますが思わず出てしまった発言は取り返しがききません。

それだけ発言は他人の「心を乱す力」があるということを理解しなければいけないと思います。

私自身も発言には注意を払っていこうと決意した記事でした。

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