« 指示待ち若手社員が自ら動くようになる動機づけのポイント | メイン | 冬の激闘! »

2018年2月 9日 (金)

「与える」思考を持てば、周囲との相乗効果で良質なパフォーマンスを発揮できる

ギブアンドテイクという言葉をよく耳にします。

簡単に言うと与えて、結果としてもらう。

あるいはもらったお礼で何かを与えるということになるのでしょうか。

いずれにせよ、良い関係が成り立っていればこその言葉だと私は思います。

そこで、今回「与える人が成果を得る」という著書を見つけたので紹介させてください。

 

『「与える人」が成果を得る』の著者は、メンタル・トレーニングによる

パフォーマンス向上を専門とするスポーツドクター「心理学」と

「人間が成長するためのフロー理論」を駆使し、

企業やビジネスパーソン、アスリート、芸術家、アーティストのパフォーマンス向上に

務めているのだそうです。 そんなキャリアをベースとして書かれた本書は、

「与えることで成果が得られるカラクリ」を明かしたもの。

というのも、「与えること」には自分自身のパフォーマンスが上がるという

メリットがあるというのです。 「金品などを相手に与える」

という他動詞的な与え方は、心を乱す原因になるかもしれません。

しかし「なにを」という目的語を必要としない「自己完結型の与える思考」は、

心を整え、安定させてくれるということ。だとすれば結果的には、

与えることによってパフォーマンスが上がることにもなるわけです。

ところで著者は、「与える」には、「感謝する」「応援する」「思いやる」

と3つの原則があると主張しています。そして、そんな考え方を軸に、

本書においては「与える思考が、ハイパフォーマンスを実現する仕組み」

「与える思考を習慣化するコツ」「与えることで、モチベーション、集中力、

行動力、実行力、人間関係力を高める技」

「与えることで、心配事を足り切る方法」を紹介しているのだそうです。

 

「いただきます」という言葉から、ハイパフォーマンスの仕組み

 がわかる

食事の前に「いただきます」と手を合わせて感謝することは、

日本人が昔から行なっている当たり前の習慣。しかしそれは、

ベストパフォーマンスを生み出す言葉でもあるのだと著者は主張しています。

「いただきます」と手を合わせるとき、そればかりか

「いただきます」とただ考えるときにも、パフォーマンスは確実に上がるというのです。

これは「ライフスキル」という、脳の使い方による効果です。

ライフスキルとは、言葉の通り「生き方の技術」です。

自分らしく生きるための方法とも言えます。 ライフスキルとは、

「心の状態」を整えるための脳の使い方になります。 心の状態を整えることが、

自分らしく生きることにつながるとは、ちょっと不思議な気もします。

しかしそれは、人間のパフォーマンスが心の状態に大きく影響

されるからだというのです。

心の状態には、

「フロー」と「ノンフロー」の2種類しかないのだそうです。

簡単にいえば、フローとは“機嫌のいい感じ”で、ノンフローは“機嫌の悪い感じ”。

そして当然ながら、心が整っているとは、「心がフローで、

機嫌がいい感じ」のこと。心がフローであるなら、自分の機能が上がり、

能力を発揮できるということ。つまり、ベストパフォーマンスを発揮できると

いうわけです。

 

ライフスキルを使って心がフローになっているときは、

モチベーション、やる気、集中力、行動力、執行力、判断力、決断力もアップして、

自分のベストパフォーマンスを引き出せる状態になるでしょう。

そうして自らの機能を高めて生きることができるのであれば、

それは自分らしく生きていることの証だということです。

「与える」思考を持てば、周囲との相乗効果で良質な

パフォーマンスを発揮できる。

 

「与えよう」と考えるだけで成果が得られる本当の理由

 

いうまでもなく、成功しているビジネスパーソンや一流のアスリートだからといって、

常にベストパフォーマンスを生み出せるわけではありません.

彼らも緊張や悩みごと、心配ごとで心が乱れたり、思うようにことが運ばず、

不機嫌になったりすることはあるわけです。

しかし彼らは、自分で自分の心の状態を素早く切り替え、

フローなほうに傾ける技を身につけているというのです。

 

重要なのは、モチベーションが上がらないからパフォーマンスが

上がらないのではない、ということ。あるいは、心配事があるから、

パフォーマンスが下がるのではないということ。そうではなく、

心が乱れたノンフローな状態でやるから、パフォーマンスが上がらないわけです。

シンプルな話ではありますが、多くの人はなかなかここに気づけないものです。

 

人間の脳は、もともとノンフローな状態をつくりやすいようにできています。

しかしその一方で、フローな心をつくるライフスキルという機能も兼ね備えています。

ただし、ライフスキルが働いていない人は、機能が退化し、

サビついているのでうまくパフォーマンスを発揮できません。

 

本書でみなさんにお伝えしたいのは、

「サビついて退化しているライフスキルを鍛え直し、自分の機能を上げて、

毎日元気に、機嫌良く生きていきませんか」ということです。

よいパフォーマンスを生み出すことができれば、

おのずとよい結果がついてくるもの。

いってみればライフスキルは、人生の質をよくする重要な

カギになるのだと著者はいいます。

「いいこと」をすれば「いいことが起こる」と楽観しない

 

冒頭でも触れたとおり、成功の要素として「与える」というキーワードが

注目されているのだそうです。とはいえ本書で著者がいう「与える」思考とは、

欲しいものを得るための方法論ではないのだといいます。

人は、「相手の喜びを自分の喜び」として感じることができます。

たとえばプレゼントをあげた結果、相手が喜んでくれたとしたら、

それだけで自分もうれしくなれるわけです。それどころか、

「プレゼントをあげよう」と計画するだけでも、

なんとなく幸せな気持ちになれるのではないでしょうか?

 

見返りなどなくても、相手が喜んでくれるという事実だけで自分もうれしくなる。

具体的に何かを与えなくても、「与えよう」と考えているだけで、

気分が良くなるのです。

著者によれば、これは「フォワードの法則」と呼ばれているそうです。

与えることによって、自分自身がフローになるという考え方です。

「与える」思考を持てば、周囲との相乗効果で良質な

パフォーマンスを発揮できる

 

ハイパフォーマンスを実現する「与える3原則」

 

「感謝」「応援」「思いやり」 これが、私の考える「与える3原則」です。

 

「ありがたい」と考える。 「がんばれ」と考える。 「思いやろう」と考える。

ただ主体的に「与えよう」と考えるだけではあるけれども、

そのように自分から「与えよう」と考えるだけで心の状態が整い、

エネルギーが高まるといいます。いわばお金や物を与えることではなく、

「与えると考える」ことが重要だということ。

しかもそれは「いいことをすれば、いいことが起こる」という意味ではないそうです。

「与える」思考は自分の心を整え、

「自分」という人生の試合に勝つための基本となる成功思考だということ。

与えると考えることは、相手のためになるでしょう。

しかしそれは、なにより自分のためになるという考え方。

このような考え方こそ、まさに「与える」というライフスキル。

そして、自分の思考のエネルギーによって自分の心にフロー化を起こすスキルだということです。

大きな視野で考えれば、「生きる」こと自体が人間のパフォーマンス。

「自分から与える」という主体的な生き方をしていれば、

結果的に周囲もフローになり、相手の人生を豊かにしていくこともできるというわけです。

そして、このようなフローの好循環を生み出せることを、

著者は「リーダーシップのある生き方」だと考えているのだそうです。

 

質のよい仕事、質のよい人間関係、質のよい成果、

質のよい人生を望むのであれば、

「なにを」与えるのか、「なぜ」与えるのか、

「どうやって」与えるのかという

認知的な思考から離れ、「ただ与える」という思考法を

習慣化していくべきだということ。

「与える」思考でフローの好循環に乗れば、周囲との相乗効果で

良質なパフォーマンスを発揮できるということです。

 

さまざまな意味において利他的な価値観が注目されていますが、

著者はその本質をわかりやすく解説した書籍だといえそうです。

本書を通じ、いまこそ意識すべき「与える」ことの重要性をぜひ意識してみてください。

ここからは、私の所感です。

人は誰しも機嫌の良い時・悪い時があると思います。

機嫌が良い時は、スムーズに考えられることでも機嫌が悪い時は

そうもいかないこともあるでしょう。しかし、その気持ちを押し殺して

行動しなければいけない時もあるでしょう。

そんなノンフローな時こそ1秒でも早く気持ちを切り替え

フローな状態に持っていくことで自分のためにもなるのではないでしょうか?

ハイパフォーマンスを生み出すために、モチベーションをあげていく努力をし、

気持ちを落ち着かせることでノンフローからの脱却ができ、

結果自分にとって、いい見返りが返ってくるのではないでしょうか。

タイトルのように、「与える人が成果を得る」ことを信じて今日から、

色々な意味で与えていこうと決意した著書でした。

コメント

コメントを投稿

仏光殿オフィシャルサイト