ヒートショック
皆様は「ヒートショック」という言葉を聞いたことが
ありますか?
ヒートショックとは急激な温度変化が身体に及ぼす
衝撃の事で、血圧の急変動、脈拍数の急増などの症状を
引き起こします。
高齢者や高血圧の方にとっては、心筋梗塞や脳血管障害などに
つながり、命取りになりかねません。
ヒートショックのメカニズムは、入浴行動に伴う血圧の変化と
密接に関連しています。
◆寒い脱衣場や浴室に入り、脱衣や身体を洗うなどして
身体を動かすと血圧は急激に上昇します。
◆浴槽に入る時には熱い湯に触れ、さらに静水圧の影響で
心臓の負担が大きくなり血圧は上昇します。しかし、
湯につかっていると温熱効果で血流が良くなり、
血圧は急激に下降します。
◆温まった身体で寒い脱衣場に戻り、着衣行動で身体を
動かす事によって血圧は上昇します。その後、服を着て
体温は保たれる為、血圧は下降しそのまま長時間持続します。
いずれの行動においても
浴室温度が低く居室や湯温との差が
大きいほどヒートショックが起こりやすくなります。
≪対策その1 温度差解消≫
ヒートショックを防ぐ為には湯温は低めに(41℃以下)、
居室と浴室および浴室とお湯の温度差を少なくする事が
大切です。浴室の寒さを解消する為に、入浴前にお湯を
流す、また浴槽の蓋を取って湯気を立てる、浴室の床に
マットを敷くなどの工夫が必要です。
最近では、浴室暖房などの設備も多く取り入れられています。
≪対策その2 二番湯≫
「高齢者にさら湯はいけない」と昔から言われてきました。
家族が入浴した後の二番湯に入れば、温まった浴室で入浴
できる事から、高齢者の入浴事故を防ぐ事もできます。
ちなみに現代のお風呂では、他の家族が入浴した直後は
20℃程度の浴室温度で入浴する事ができます。
≪対策その3 半身浴≫
半身浴も効果的です。38℃~39℃のぬるめのお湯に、
みぞおちの下までつかり、20~30分間うっすら汗ばんで
くるまでじっくりと温まる入浴方法です。
心臓や肺を水圧の負担から守るので、高血圧の方や高齢者、
心臓や肺機能が弱い方に向いています。
さらに低めの湯温により副交感神経が優位に働き、
心身をリラックスさせ疲労や不眠の解消、冷え性、
足のむくみ、腰痛にも効果的です。
上半身がお湯から出ている為、浴室の温度を保つ事、
また水分補給を心がける事も忘れないようにしましょう。
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